ようちえん
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9月メッセージ

8月の夏休みのある日、幼稚園に来てみると、誰もいない園庭に

グミの木が横たわっていました。台風で折れたのか?雷が落ちたの

か?と思うくらいに根元から少し上のところで、裂けたように折れ、

倒れていました。

しばらく、その木を眺めながら、色々な事を思い出していました。

木に登っていた子どもたちの姿(楽しい時もちょっと悲しい時も…)、

手を伸ばして赤く色づいた実に手を伸ばす姿、木の上から楽しそうな

声が聞こえていた事も懐かしく思い出しました。ずっと前から、どれ

だけ沢山の子ども達がこのグミの木に見守られて来たことか…

最近では子どもが登るとミシミシと枝が軋み、折れやすくなっていた

ので、木登りは出来なくなっていました。

木の折れたところは、虫が喰っていて、中はぼろぼろに砕けていた

そうです。それでもこの木は、今年も沢山の赤い実を実らせて子ども

達を楽しませてくれました。夏休み中ではなく、保育中に倒れていた

ら…どうなっていた事でしょう。グミの木は最後まで、子ども達を守

ってくれていたような気がしてなりません。

大きなグミの木はなくなりましたが、命は途絶えた訳ではありませ

ん。折れた木の根元から、数本の新しい細い枝が伸びて来ています。

どうか、すくすく育って、いつか木登りのできるような大きな木に育

ちますように…と祈っています。

コロナ禍の二学期開始です。不安の中ではありますが、園生活に於

いてできる限りの経験が出来る様に努力しつつ、グミの木の新しい枝の

様に希望を持って、歩みたいと思います。

(園長 済田 真美)

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