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ようちえん
ニュース
11月メッセージ
先日、孫と散歩していると、どこからともなく甘い金木犀の香りが漂ってきました。上を見上げると、真っ青な高い空、秋本番ですね。まだ小さい子どもは、ほんの一時も止まっていません。五感を使ってキャッチした情報の全てに、と言ってよい程にことごとく反応します。目につく物は何でも触れてみようとします。物音にも敏感に反応して立ち止まっては振り返ります。家でも食事の支度ができる頃になると匂いにつられて食卓にやって来て、「ハーイ!」と手をあげて食事をせがみます。ごはんがお気に召すか?おばあちゃんはその度にドキドキです…
この様に子どもは五感の全てを駆使して、全力で毎日を生きています。おとなの様に手加減をしたり、ペース配分をする事は、まだできません。感じたまま、思いのままに行動します。
でも幼稚園では、思いのままに行動するわけにいかない事が起こってきます。それは、幼稚園という場所には生活の流れがあり、成長と共に一緒に過ごしている周囲の人にも思いがある事に気付くからです。そして、思い通りにならないもどかしさを経験します。そんな時、ごく自然に適応できる子もいますが、自分の気持ちを人にぶつけたり、自分の気持ちに蓋をして我慢したり、困っていても平気そうに装ったり…様々な姿がでてきます。それを含めて神さまからいただいたその子の個性です。
自分の心をいっぱい使って生活している子ども達、周りのおとなはその心の動きに気付ける存在でいたいものです。実りの秋…らんらんデーが終わって一息つけるこの時期だからこそ、子どもの個性に向き合い、その心に寄り添う余裕を持ちたいと思っています。 ( 園長 済田 真美 )