ようちえん
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2月メッセージ

先日、保育中に予告せずに避難訓練をしました。私の心配をよそに、子どもたちは落ち着いて、静かに迅速に園庭に避難してきました。担任の先生たちにも日時の予告無していなかったため、「“え?今?”と戸惑いました。」と何人もの先生に言われました。災害は本当にいつやって来るか分からないから、必要な訓練で有る事を教師会で確認し合いました。その時、ふと、30年前の阪神淡路大震災の日の記憶が蘇りました。早朝電話が鳴り、大阪の実家の父から「大きな地震があったけど、二人共無事だから、心配しないように。」と連絡がありました。その向こうで、母が割れた食器を片付ける音が響いていました。その後数日間、関西との電話は不通となりました。今と違って、スマホやパソコンで状況を知る事も出来ず、夜が明け、時間の経過と共にテレビのニュースで被害の様子が映し出されるのを見ている事しかできませんでした。高速道路の高架が倒れ、沢山の家屋やビルが崩れている映像を我が子を抱きしめながら、呆然と見つめていた事を思い出しました。

最近、地震が各地であり、どんなに備えをしていても、震災の不安はいつも私たちに付きまといます。備えをしておく事も、もしもの時に自分で自分の身を守る術を身に着けておくことも必要であることをつくづく思います。先日、保護者の方から、帰省中に地震にあった時に、園児が咄嗟にダンゴムシのポーズをとり、しっかりと頭を守っていたとのお話がありました。日頃の避難訓練の成果もさることながら、子どもたちの逞しさに、救われた思いがしました。 1月17日に震災後30年になる神戸の東遊園地公園に灯篭の火で灯し出された言葉は“よりそう”でした。震災を経験した人が少なくなっても、被災者を忘れず寄り添い続けようという思い、そして、この30年の間に起きた様々な災害の被災地にも寄り添い、支えていこうという思いが込められているという事です。祈りをささげる神戸の人々の姿に、一日一日を感謝して大切に生きなければと改めて思いました。3学期も残り少なくなってきました。冬の寒さは続きますが、子どもたち一人ひとりが神さまに守られて、一日一日を大切に過ごしてほしいと願っています。                                                    

                                   園長 (済田 真美)

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