ようちえん
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11月メッセージ

先日、同期だった友人と会う機会がありました。彼女も今もキリスト教保育の幼稚園で保育に携わっています。待ち合わせ場所で、お互い「着いたよ」と連絡しているのに、何故か相手が見つからず、いろんな人の顔を覗き込んでようやく会うことができました。彼女と最後に会ったのは4年前、コロナ禍となる以前でした。その間LINEで繋がっていてあまり距離を感じていなかったのですが、40年越しの友だちの顔が判らない事に驚き、マスクを着けているとこんなにも相手の顔が判らないのだとつくづく感じました。社会でも問題視されているように、幼い子どもたちにとってマスク生活はどんな影響をもたらすのかと不安を感じずにはいられません。幼稚園でもアイコンタクトを大切に生活していますが、安心してマスクを外して過ごせる家庭では、表情豊かに子どもたちと接してあげて欲しいと強く思いました。

さて、その友人とは、それぞれの現状報告の後、職場での思い出や子育て時代の苦労話をしました。思い起こすと子育ても、思うようにいかない事ばかりでした。あの頃は分からないことがあってもスマホで検索できるわけでも無く、情報源も乏しく、核家族化が進み親にあまり頼れず、公園で母親同士情報交換しながら、助け合って育児をしたものでした。今は、ボタン一つで答えが得られる時代になり、マニュアル化され、正解が示される事が増えてきたように思います。でも、子育ての正解は一つではあり得ません。一人ひとりに個性があるのですから、育ちも人それぞれです。先月の『ことりのす』で、子どもの少し先の未来を想像して必要な次の一歩を…と書きましたが、その踏み出す一歩も一人ひとり違っているはずです。その子に必要なことを見極め、親として伝えるべきことを伝え、支えること…そして信じて待つことも大切です。慌てず、急かさず、その子のペースを尊重して、成長を支えていきたいものです。秋の澄みわたった青い空を見上げると、神さまの恵みが豊かに注がれていることを感じます。子どもたち一人ひとりがその子の歩み方で大きくなって、いつか実を結びますようにと祈っています。         (園長 済田真美)

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